一級建築士試験の学科を独学で受けようと思っても、どのように勉強をすればいいか悩んでしまうと思います。やみくもに教科書や参考書を開いてみても、勉強のポイントがわかっていない状態では効率が下がってしまいます。
この記事では、一級建築士試験の学科を独学で合格するための、勉強方針の立て方・心構えを解説します。
勉強する上で重要な3ポイント
学科試験を勉強する上で、常に心に置いておきたい、重要なポイントを3つ挙げます。
1.過去問で勉強する
2.インプット→アウトプット→インプットの順
3.得意科目を伸ばすより苦手科目をなくすことを優先
(でも得点源の科目をつくれると安心)
教科書を読んだり、問題を解いたりする前に、この3点を意識して勉強方針を立てることをおすすめします。
それぞれのポイントについて解説していきます。
1.過去問で勉強する
とても重要なことですが、学科試験のほとんどは過去問から出題されます。
付け加えると、過去問が一言一句変わらずそのまま出題されることは少ないですが、過去問の知識を使って解ける問題がほとんどです。
実際に過去問から出題された例を紹介します。
教科書をすみずみまで読んでから問題を解き始めたり、過去問ではない問題集で演習することももちろん無駄ではないと思いますが、独学で合格するためにはある程度の効率性も求められます。
膨大な試験範囲を覚えるよりも、ある意味ポイントが絞ってある過去問中心にすることで、効率的に勉強ができます。
インプット→アウトプット→インプットの順
では、いきなり「過去問演習から始めよう!」と思って勉強し始めてみても、
学生であったり、業務年数が少ない段階で一級建築士を受ける方にとっては、そもそもの基礎知識が少ないため、過去問に書いてある単語の意味すらわからない状態だと思います。
そこで、まずは単語に慣れるためにも、テキストをさらっと一周することをおすすめします。
ここで重要なのは、確実に理解しようとしないことです。
「こういう意味なんだ〜」「そういえば学生時代に教わったな〜」
この程度で十分です。
その後に、過去問を解いてみます。
ここでも、全く解けなくて問題ありません。
重要なことは、
- どういう出題のされ方をしているか
- 選択肢の中のキーワードは何か
などの、暗記するポイントを把握することです。
把握した上でまたインプットを行うと、1周目よりも要点がわかっている状態なので、理解度が格段に深まります。
得意科目を伸ばすより苦手科目をなくすことを優先
学科試験でよく言われることは、得意科目を伸ばすよりも苦手科目をなくす、です。
なぜかというと、各科目には足切りが設定されているからです。足切り点は通常、配点の50〜60%の点数で設定されます。各科目の足切り点を超えないことには、総合得点でどれだけ点を取っていても合格にはならないのです。
そして、足切りで不合格となる人は結構います。
(特に多いのが計画の足切りで不合格になるパターン)
ですので、最低限足切りラインは越えられるよう、幅広く勉強する必要があるのです。
ただ、得点源となる科目を作っておくと安心できる、と筆者は考えています。
学科試験の合格基準点は、年度によってバラつきはありますが概ね90点前後で推移しています。
125点満点ですので、各科目で70%程度得点すれば合格できます。
でも、もし本試験で1教科でも難化したら?思うように解けなかったら?
そう考えると、各科目70%得点を目標とするのは結構博打ですよね。
だからこそ、得意科目を1つ作っておくことをおすすめします。
おすすめの教科は法規です。
なぜかというと、法規は法令集を持ち込みでき、問題の解き方さえわかってしまえばその年の難易度に左右されず得点できるからです。だって答えは全部法令集に載っていますから。
実際に筆者も法規だけは確実に解けるように仕上げ、過去問ではどの年度でも28点以上を取れるようにし、本試験では27点でした。
筆者が受けた令和3年度は計画が難化で難しく、諦めかけていたところを得意科目の法規で立て直したので、精神的にすごく救われました。
まとめ
一級建築士試験の学科は、独学で合格できます。
ただ、やみくもに勉強するのではなく、「勉強する上で重要なことはなにか?」を意識して勉強することが大切です。
合格のカギは、過去問です。ひたすら過去問を解き、丸暗記するのではなく、意味やプロセスを理解することが重要です。
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